2009.11.30

一日の音楽(5)☆午前の仕事、9:00-12:00→ラカトシュのヴァイオリン

 
午前の仕事はテキパキとすすめたいものだ。
 気分は新鮮、体は頭から足の先まで充実している。さあ、仕事だ――と、そんな日はザラにないわけで(笑)、「肩が重い…」「昨日の深酒が胃のあたりに…」なんてことを感じながら仕事につくのがたいていだ。
 しかし、体の調子だけならたいしたことはない。
 めんどうなのは、職場の人間関係だろう。
 やっかいな上司にいやみな同僚、あるいは気難しい商談相手……その憂鬱をふりはらうのは難しい。
   
 それでも仕事はしなければならないし、またすべきだ。
 それも要領よく、滑らかにこなす必要がある。そして、もし仕事に充実感を味わうことができれば最高だ。
 仕事を愉しみながらこなす――そんな時間帯を音楽に置きかえるなら、僕はロビー・ラカトシュのヴァイオリンを思い浮かべる。
 その旋律たるや卓越した技術と熱情が絡みあって鞭のようにしなり、しかも闊達で、そして余裕を失わない。
 彼のように完璧に物事をおさえながら、遊び心を失わず楽々と仕事をこなせたら、と感じる。だからといって…彼みたいな体型になるのはゴメンだけど(笑)。
 
 ちなみに、彼の演奏を実際に聴いた人々によると、ラカトシュの本当の凄さは会場の空気感や聴衆が何を考えているかをその場で読みとるところにあるという。聴衆の心のひだまで読みとり、それを音で返す能力は天才としかいいようがないそうな。
 CDでその片鱗をうかがうのは困難だが、それでも凄い。
 
 下はファン作成のyou tube動画。
 
   

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2009.11.03

一日の音楽(4)☆仕事前、8:00→ABBAの“Ring,Ring”

 
仕事にとりかかる前は、明るいポップスで気分を盛りあげたいところだ。ショパンのままでは寝てしまう(笑)。
 電車を降り、改札を抜けて会社に向かうまでの間や、車を駐車場にとめ、仕事場まで歩く間の3、4分――あるいは家のパソコンで仕事をする前――、ABBAを聴く。
 往年のヒット・チューンは常にキャッチーだ。
 仕事もABBAの曲のように、キャッチー&シンプルであるべき(?)だろう。
  
 

 
 
(BGM):ABBA [Ring,Ring] (1973)
 
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2009.10.28

一日の音楽(3)☆朝の外出、7:00→ルービンシュテインのショパン

 
身じたくを終え、家の外に出る。
 歩き始めるとアスファルトを刻むように靴音が鳴り、一日の仕事に必要なものが入った鞄は少し重たいが、出かけた時にはその重さが頼もしい。
 空は晴れ、あちこちの小路から人が現れて駅に向かっていく。
 
 こういう時には軽やかで品のよい、落ち着いた小曲を聴きたい。
 よく聴くのは、ルービンシュテインのショパン。彼のピアノは軽やかで、上品で、愉しい気持ちになる。
 願うことなら一日を彼のピアノのように平穏に、愉しく終えたい――そんなことを考えながら仕事場に行くのは、なかなか悪くないひとときだ。

 

 
 
(BGM): Arthur Rubinstein (piano) 
       [Chopin "Grande valse brillante" Op. 18 In E-Flat] (19??)
 
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2009.10.15

一日の音楽(2)☆朝食後、6:30→Carpentersを聴く

  
朝ご飯を終えた後、気分はさわやかだ。
 コーヒーカップに朝日が射しこみ、磨いた時計盤にはシミひとつない。
 窓から見上げた空は晴れあがっている。
 
 食後の満ち足りた気持ちに輪郭を与えるポップ・ミュージック――たとえばそれは、カーペンターズだ。
 カレンの歌声はまさに歌姫にふさわしい。それは朝を落ち着いた色調に染め、一日の始まりをすてきな予感で満たしてくれる。
 特に好きなのは “Top Of The World”。これを聴いていると穏やかな気持ちで一日のスタートを始められそうな気になる。
 
  

 
 
(BGM):The Carpenters [Top Of The World] (1973)
 
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2009.10.09

一日の音楽(1)☆起床後、6:00→Fuguを聴く

 
最近、早起きをするようになった。
 起きてからカーテンを開けると、朝日が部屋のすみずみまでさしこむ。
 洗面所で顔を洗い、ふと見ると鏡に朝日が反射している。そういう時は気持ちいい一日が始まる気がした。
  
 そんな朝にFuguの曲を聴くとより快活な気分になる。
 メロディーをハミングしながら左手に時計をはめたり、髪をセットしたりすると、この世も悪くないと感じるのだ。
 
 
 

 
 
(BGM):Fugu [Here Today] (2006)
 
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2009.09.11

ヘミングウェイの筆致、マリアンヌ・フェイスフル

 
先月の日記で、ヘミングウェイの『移動祝祭日』新訳が個人的に合わない、と記した。それはどのような箇所かといえば、次のような一節だ。
 
◆A girl came in the café and sat by herself at a table near the window.She was very pretty with a face as a newly minted coin if they minted coins in smooth flesh with rainfreshed skin,and her hair was black as a crow’s wing and cut sharply and diagonally across her cheek. (A Good Café on the Place St-Michel)
  
 次に示すのはそれぞれの訳文。
  
◆一人の女がカフェへ入ってきて、窓近くのテーブルにひとりで腰をおろした。とてもきれいな女で、新しく鋳造した貨幣みたいに新鮮な顔をしていた。雨ですがすがしく洗われた皮膚で、なめらかな肌の貨幣を鋳造できればの話だが。それに彼女の髪は黒く、カラスのぬれ羽色で、ほおのところで鋭く、ななめにカットしてあった。(福田陸太郎訳、岩波同時代ライブラリー。旧訳)
 
◆一人の若い女性が店に入ってきて、窓際の席に腰を下ろした。とてもきれいな娘で、もし雨に洗われた、なめらかな肌の肉体からコインを鋳造できるものなら、まさしく鋳造したてのコインのような、若々しい顔立ちをしていた。髪は烏の羽根のように黒く、頬に斜めでかかるようにきりっとカットされていた。(高見浩訳、新潮文庫。新訳)
 
 詳細は省くが、福田訳の方が原文のリズムを伝えているのではないか(特に最後の文はうまいと思う)。一方の高見訳は日本語的まだるっこしさが内容と合ってないように感じられる(特に第二文)。「a face as a newly minted coin」で、モダンガールのしゃれた髪型をした女性のきりっとした感じは、高見訳のリズムではないだろう。
 しかし、こういうのは趣味感覚なので、どちらがどうとはいえない。そもそも、「原文で読むのが一番ですナ」という意見もあるだろう。
 まあ、個人的には福田訳が好きなのだが、惜しいことに絶版になってしまっている。
  
この前、街でゴダールの“made in usa”のマリアンヌ・フェイスフルみたいな人を見かけた。シンプルなワンピースにきれいに染めた髪が合っていて、彼女が歩くたびに周りの空気が一変する感じがした。
 ヘミングウェイぐらいの筆力があれば彼女の様子を再現できるのだが、無理なので映画のワンシーンをそのまま引っぱっておこう(笑)。
 下は“made in usa”(1966)のワンシーン。シンプルな映像構成だが、壁、ソファー、テーブルの色の組み合わせは見事だ。画面右上に白色を配する感覚もすばらしい。フェイスフルの服と髪、肌の色もきちんと計算した上での配色と映像構成がなされている。さすがゴダール。
 ちなみにマリアンヌは歌を歌っている人で、作曲はRolling Stones。
 
 

 
 
(BGM):The Rolling Stones [As Tears Goes By] (1964)
 
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